「覚悟を問う」ということについて

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1年前に移住してから、よく「地元に骨を埋めるつもりなんですか?」と無邪気に聞いてくる人がいます。時折、それを迫ってくる人さえいます。

その度に、移住者に覚悟を問うのはナンセンスだなーと白い目で見ていたのですが、この「覚悟」というものについて、自分のスタンスとして「問うて良い覚悟」と「問わないほうが良い覚悟」を整理してみました。

結論から言うと、「コミットメント」に対する覚悟は問うてもいいですが、「状態」に対する覚悟を問うべきでないと考えています。

コミットメントに対する覚悟というのは、平たく言うとベストを尽くす覚悟と言い換えられます。ベストを尽くした結果、目指していた方向と違うことがわかった場合身を引く余地が残されています。

これに対して状態に対する覚悟というのは、結果どうこうではなく「そうあり続けること」を求めてしまっています。

・移住した地に骨を埋める

・同じ会社で働き続ける

・毎日決められたことをし続ける

これだけ環境変化の早い世の中で、個人の興味や嗜好も変わって行くはずです。そんな中で変わらないことを求めるのことに合理性や正当性は認められるでしょうか。

覚悟を問うというのは、責任を放棄することでもあります。覚悟を問うことで相手の状態を縛り、自分が相手に与える影響に対する責任を放棄しています。

覚悟を問うのではなくて、期待する行動を引き出せるよう自分がどう作用するべきかを考えるほうがよっぽど健全です。

移住者に定住を期待するなら、ずっと住みたくなる地域を作る。

転職者に勤続を期待するなら、働き続ける理由を提供する。

覚悟を迫るのではなく、期待する行動や状態を引き出すことを考える。

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