ケープタウンで100万円のATM詐欺にあう | カード会社の補償を受けるためにしたこと

ケープタウン 警察署

先の記事で紹介したように、南アフリカのケープタウン滞在中にATM詐欺に引っかかってしまい、100万円以上を不正利用されるということがありました。

ここでは、事件後にカードの利用停止をして以降に補償を受けるためにしたことを紹介します。

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などのように今回のケースで被害額の補償が受けられるのかどうかを徹底的に調べました。ただどこに書いてあることも大抵同じで、

「第3者による不正利用の場合は補償対象ですが、暗証番号が入力された場合は原則補償対象外です」

とのこと。この「原則」というのは、暗証番号が本人の故意や過失によらない場合であれば例外もあるということ。今回は詐欺による被害なので過失とは言えないと思いつつ、同じような詐欺被害で補償を受けられなかったという情報ばかりが出てきます。不安が募る一方でした。

警察署に被害届を出す

ちょうど事件の翌日もケープタウンで一日時間があったので、ケープタウン市内の警察署に行ってみることにしました。土曜日も開いていました。

場所はこちら。

こちらが警察署の建物です。

ケープタウン 警察署

警察官に事情を説明してポリスレポートを書いてもらいます。

受付をしてくれた女性がとても高圧的でめんどくさそうな態度だったのでレポートを書いてくれないのではないかとすら思いましたが、渋々といった感じで事情をヒアリングしながらレポートを作ってくれました。

その女性がレポートを手書きで作ってくれている様子。中指が立っているのは決して怒っているのではなく、指が曲がらないからのようです。

ケープタウン 警察署

レポートが書き終わったら、受付証のような紙を渡されて、翌日以降に指定の電話番号に電話して受付番号をもらうように言われます。

ここでレポートのコピーを取ってもらうか、少なくとも写真を撮らせてもらってください。受付証には事件の詳細は書かれていないので、日本に帰ってカード会社に提出するならレポートの内容を送った方が良いと思います。

これで現地でできることはなくなったので、不安な気持ちを抱えながら日本に帰りました。

被害額が100万円を超えることを知る

ヨハネスブルグで乗り換えの時になんとなくカードの利用履歴のページにアクセスしてみたのですが、やたら桁数の多い請求が並んでいます・・・

その合計額が100万円以上

キャッシング利用枠ギリギリまで使った後にショッピング枠でも数十万円の取引が2件。

もともとカード会社の紛失受付窓口に電話した時に聞いていた18万円の被害額が100万円を超えるものになっていました。決済からカード会社に情報が届くまでにタイムラグがあって、電話をした時はまだ18万円分しか請求が確定していなかったということでしょう。追い討ちをかけられたようでさらにへこみます。。

帰国後の対応

帰国後にしたことをまとめます。

カード会社に被害報告の電話

日本についてすぐに、カード会社指定の電話番号に電話しました。改めて事件の経緯を説明します。ここで、

  • カードの裏面に署名していたか
  • カードをどこに保管していたか
  • 暗証番号を他人に教えるようなことをしたか

を確認されました。今回は暗証番号が入力された上での利用なので、仮に本人以外の利用だとした時に、その原因が本人の過失によるものではないかが補償を受けられるかどうかの大きな分かれ目になります。

なので、カード会社としても一番知りたいポイントなんでしょうね。

不安いっぱいの気持ちを抑えられず、今回のケースは補償の対象になりそうか質問してみましたが、「こちらは不正利用の受付窓口のため、詳細についてはお伝えすることができません」と、まあ当たり前の回答でした。

1週間ほどで不正利用の調査票を送るので、そちらを記入して返送するように言われます。

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100万円以上の被害となると穏やかな心境ではいられず、改めてネット上の情報を徹底的に探しました。

近いケースとしてヨーロッパで頻発しているニセ警官詐欺というものがあるようです。警官風の人物に手荷物チェックと言って財布の中を確認され、身分確認のためにカードの暗証番号を言わされるというものです。しかも巧妙にカード自体を盗み取って、不正利用されるという。

このケースで「事件性あり」という判断で、暗証番号が入力されていたものの不正利用分が補償されたという記事を見つけました。

こちらが唯一の補償事例でしたが、止むに止まれず暗証番号が漏洩した場合は補償対象となる可能性が知れただけでも少し心が落ち着きました。

消費者センターに電話

できるだけ多くの情報を集めようと思い消費者センターの相談窓口にも電話しました。この消費者センターですが、明確に居住地で担当を分けているようで、最初に担当エリア在住なのか聞かれます。

そして事件の全貌を淡々と説明し、同様のケースで補償対象となった事例があるのかを質問しました。そうすると、やはり暗証番号が入力されている場合は基本的には補償の対象外で、補償されたという事例も聞いたことがないという返答が。

担当者さんによって知識量も違うだろうなと思い、他のエリアの消費者センターにも電話相談をしてみましたが、ほとんど同じ回答でした。

特に得られた情報はありませんでしたが、消費者センターの担当者さんの被害者によりそう親身な対応には少し救われた思いでした。

翌日、カード会社から電話がかかってくる

帰国の翌日、カード会社の調査担当の部署の方から電話がかかってきました。事件の状況を聞かれ、前日と同じように時系列に沿って説明します。

調査票を翌日発送で送ると言われました。その調査票について、事件当時の様子や、本人による不正利用や、過失による暗証番号漏洩ではないことを証拠資料として出せた方が良いということを確認しました。

あと、答えてくれないだろうなと思いつつ、今回のケースで補償対象となる可能性はあるか聞いてみました。

そうすると

「今回の暗証番号漏洩は本人の過失とは言えないと、個人的には思います」

と少し濁されながらも、補償対象になる可能性があることを話してもらうことができました。この一言で随分気持ちが楽になりました。

あとできることは事件の調査票にできるだけ多くの必要情報を記入することです。

カード会社の報告書を記入

言われていた通り2日後にカード会社から事件の調査票が届きました。

内容としてはとてもシンプルで事件の経緯を3行くらい、被害内容を箇条書きにして提出するというもの。

これでどうやって補償対象となるかどうか判断するんだ・・・

「詳細は別添資料に記載します」

と書いて、事件の経緯報告書と、今回の不正利用が補償対象と考える理由を2ページのレポートにまとめました。加えて、事件発生時間にはホテルに帰っていたことを証明するために、ホテルからカード会社に電話した履歴、あとは事件発生現場の地図と写真を載せた資料も作成。

ちょっとやり過ぎかなと思いつつ、100万円帰ってくるかどうかの瀬戸際で手抜きはできません。

これらの資料をまとめてカード会社へ発送。あとは祈るのみです。

1週間後にカード会社から封筒が届く

カード会社から封筒が届きました。

そして、今回の不正利用は全てカード会社が負担してくださることが書かれていました。

ここまでのカード会社の対応の温度感から、おそらく大丈夫だろうなとは思っていましたが、正式な通知を見てやっと安心することができました。

補償を受けられたポイント

今回は幸いにも不正利用の全額の補償を受けることができました。

ただこのことをシェアする上で考えないといけないのは、補償を受けられたポイントが何だったのかということです。

この補償する・しないの判断はカード会社の判断によるものなので、前例がそのまま適用されるわけではありません。私のとは違うカード会社だったら対応も全く異なるものだった可能性があります。

その前置きをした上で、おそらく補償対象となったポイントはこちらのようなことかと思います。

  • 警察に被害届を出した
  • カードの盗難から利用停止までの対応が迅速であった
  • カードの利用停止以降(帰国後も)に現地でカード決済しようとしている履歴があった
  • 止むを得ない事情で入力した暗証番号が盗用された
  • 本人利用ではないという証拠を出すことができた
  • 事件の報告を冷静に具体的に説明できた(これ結構大事だと思います)

もし被害にあわれてしまったときは、上のようなポイントを押さえて対応されることで少しでも補償が受けられる可能性を高めるようにしてみてください。


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2 件のコメント

  • Arukikata World様
    はじめまして。國嶋と申します。
    小生、2021年3月よりダーバン在住で、10月初めにケープタウンを初めて観光訪問しました。
    いままで、フイリピン、トルコ、エジプト、インドなどなど、駐在、旅行してきましたが、初めてケープタウンでカードの大型被害にあいました。
    ほんと間抜けで、小学生でもひっかからないだろうという低レベルなATM詐欺でカード盗難にあいました。しかも2枚。カードがATMに飲み込まれたというのは嘘で、挿入直後に瞬時に盗まれたということが後からわかりました。ホント、マジシャンです。被害額は50万円越えの物品購入です。汗。
    そんななか、貴殿のブログ、ケープタウンのATM詐欺被害にめぐりあいました。被害状況をカード会社へ正直に、暗唱番号を目の前で盗みとられたことを説明、被害場所にカード不正利用の時間まで滞在していたことの証明、後日ですが警察への届出書類を添えたA4で15枚の資料を作成しカード会社へ送付し結果をまちました。近年、グーグルマップのタイムラインで位置情報が詳細に確認できます。カード会社の担当者からは、暗証番号の管理不備は基本認められないと、くぎをさされました。が、結果、補償されることとなりました。
    今回小生が感じたポイントは、不正利用がゴールドカードであったこと。出来事を正直にはなすこと(貴殿レポート参考)。不正利用のカード使用場所にはいなかった(貴殿レポート参考)が重要だと感じました。
    貴重な情報をありがとうございました。
    國嶋

    • 國嶋さま、貴重な情報提供をありがとうございます。
      カードは挿入直後に盗まれているのですね・・
      無事返金を受けられたようで何よりです。

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